「Eeschema Chapter9 JA」の版間の差分

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= ネットリストの作成 =
= ネットリストの作成 =
== 概要 ==
== 概要 ==
ネットリストはコンポーネント間の接続を記述したファイルです。ネットリストのファイルに次のことが含まれます:
 ネットリストはコンポーネント間の接続を記述したファイルです.ネットリストのファイルには,次のものが含まれます:


* コンポーネントのリスト
* コンポーネントのリスト.
* 等電位ネットというコンポーネント間の接続のリスト。
* 等電位ネットというコンポーネント間の接続のリスト.


さまざまなネットリストのフォーマットが存在します。コンポーネントのリストと等電位リストが2つの別々のファイルであることもあります。回路図入力(capture)ソフトウェアの使用においては、このネットリストが基本となります。それはネットリストが次のような他の電子系CADソフトウェアとのリンクとなるからです。:
 さまざまなネットリストのフォーマットが存在します.コンポーネントのリストと等電位リストが2つの別々のファイルであることもあります.回路図入力(capture)ソフトウェアの使用においては,このネットリストが基本となります.それはネットリストが次のような他の電子系CADソフトウェアとのリンクとなるからです.:


* PCBソフトウェア。
* PCBソフトウェア.
* 回路およびPCBシミュレータ。
* 回路およびPCBシミュレータ.
* CPLD (および他のプログラマブルICの)コンパイラ
* CPLD (および他のプログラマブルICの)コンパイラ.


Eeschemaはネットリストのフォーマットを数種サポートしています。
 Eeschemaはネットリストのフォーマットを数種サポートしています.


* PCBNEWフォーマット(プリント配線)。
* PCBNEWフォーマット(プリント配線).
* ORCAD PCB2フォーマット(プリント配線)。
* ORCAD PCB2フォーマット(プリント配線).
* CADSTARフォーマット(プリント配線)。
* CADSTARフォーマット(プリント配線).
* 様々なシミュレータ用のSpiceフォーマット(Spiceフォーマットは他のシミュレータにも使用される)。
* 様々なシミュレータ用のSpiceフォーマット(Spiceフォーマットは他のシミュレータにも使用される).


== ネットリストフォーマット ==
== ネットリストフォーマット ==
[[Image:]]ツールを選択し、ネットリスト作成ダイアログボックスを開きます。
[[Image:]]ツールを選択し,ネットリスト作成ダイアログボックスを開きます.




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| style="border-top:none;border-bottom:0.05pt solid #000000;border-left:0.05pt solid #000000;border-right:0.05pt solid #000000;padding:0.097cm;"| Spiceを選択
| style="border-top:none;border-bottom:0.05pt solid #000000;border-left:0.05pt solid #000000;border-right:0.05pt solid #000000;padding:0.097cm;"| Spiceを選択
|}
|}
それぞれのタブで希望するフォーマットを選択できます。Spiceフォーマットでは、等電位の名称(その方が読みやすい)か、またはネット番号(Spiceの古いバージョンは番号のみ受け付ける)のどちらかでネットリストを生成することが可能です。
 それぞれのタブで希望するフォーマットを選択できます.Spiceフォーマットでは,等電位の名称(その方が読みやすい)か,またはネット番号(Spiceの古いバージョンは番号のみ受け付ける)のどちらかでネットリストを生成することが可能です.


'''''注'''''
'''''注'''''


大きなプロジェクトでは、ネットリストの生成に数分かかることがあります。
 大きなプロジェクトでは,ネットリストの生成に数分かかることがあります.


== ネットリストの例 ==
== ネットリストの例 ==
PSPICEライブラリを使用した回路設計は以下を参照して下さい。
 PSPICEライブラリを使用した回路設計は以下を参照して下さい.


<center>[[Image:]]</center>
<center>[[Image:]]</center>


 
 PCBNEWネットリストファイルの例です.
PCBNEWネットリストファイルの例です。
 


  <nowiki># EESchema Netlist Version 1.0 generee le 21/1/1997-16:51:15</nowiki>
  <nowiki># EESchema Netlist Version 1.0 generee le 21/1/1997-16:51:15</nowiki>
  (
 
  (32E35B76 $noname C2 1NF {Lib=C}
  (32E35B76 $noname C2 1NF {Lib=C}
  (1 0)
  (1 0)
  (2 VOUT_1)
  (2 VOUT_1)
  )
 
  (32CFC454 $noname V2 AC_0.1 {Lib=VSOURCE}
  (32CFC454 $noname V2 AC_0.1 {Lib=VSOURCE}
  (1 N-000003)
  (1 N-000003)
  (2 0)
  (2 0)
  )
 
  (32CFC413 $noname C1 1UF {Lib=C}
  (32CFC413 $noname C1 1UF {Lib=C}
  (1 INPUT_1)
  (1 INPUT_1)
  (2 N-000003)
  (2 N-000003)
  )
 
  (32CFC337 $noname V1 DC_12V {Lib=VSOURCE}
  (32CFC337 $noname V1 DC_12V {Lib=VSOURCE}
  (1 +12V)
  (1 +12V)
  (2 0)
  (2 0)
  )
 
  (32CFC293 $noname R2 10K {Lib=R}
  (32CFC293 $noname R2 10K {Lib=R}
  (1 INPUT_1)
  (1 INPUT_1)
  (2 0)
  (2 0)
  )
 
  (32CFC288 $noname R6 22K {Lib=R}
  (32CFC288 $noname R6 22K {Lib=R}
  (1 +12V)
  (1 +12V)
  (2 INPUT_1)
  (2 INPUT_1)
  )
 
  (32CFC27F $noname R5 22K {Lib=R}
  (32CFC27F $noname R5 22K {Lib=R}
  (1 +12V)
  (1 +12V)
  (2 N-000008)
  (2 N-000008)
  )
 
  (32CFC277 $noname R1 10K {Lib=R}
  (32CFC277 $noname R1 10K {Lib=R}
  (1 N-000008)
  (1 N-000008)
  (2 0)
  (2 0)
  )
 
  (32CFC25A $noname R7 470 {Lib=R}
  (32CFC25A $noname R7 470 {Lib=R}
  (1 EMET_1)
  (1 EMET_1)
  (2 0)
  (2 0)
  )
 
  (32CFC254 $noname R4 1K {Lib=R}
  (32CFC254 $noname R4 1K {Lib=R}
  (1 +12V)
  (1 +12V)
  (2 VOUT_1)
  (2 VOUT_1)
  )
 
  (32CFC24C $noname R3 1K {Lib=R}
  (32CFC24C $noname R3 1K {Lib=R}
  (1 +12V)
  (1 +12V)
  (2 N-000006)
  (2 N-000006)
  )
 
  (32CFC230 $noname Q2 Q2N2222 {Lib=NPN}
  (32CFC230 $noname Q2 Q2N2222 {Lib=NPN}
  (1 VOUT_1)
  (1 VOUT_1)
  (2 N-000008)
  (2 N-000008)
  (3 EMET_1)
  (3 EMET_1)
  )
 
  (32CFC227 $noname Q1 Q2N2222 {Lib=NPN}
  (32CFC227 $noname Q1 Q2N2222 {Lib=NPN}
  (1 N-000006)
  (1 N-000006)
  (2 INPUT_1)
  (2 INPUT_1)
  (3 EMET_1)
  (3 EMET_1)
  )
 
  )
 
  <nowiki># End</nowiki>
  <nowiki># End</nowiki>


PSPICEフォーマットでは、ネットリストは次のようになります。
 PSPICEフォーマットでは,ネットリストは次のようになります.
 


  <nowiki>* EESchema Netlist Version 1.1 (Spice format) creation date: 18/6/2008-08:38:03</nowiki>
  <nowiki>* EESchema Netlist Version 1.1 (Spice format) creation date: 18/6/2008-08:38:03</nowiki>


  .model Q2N2222 npn (bf=200)
  .model Q2N2222 npn (bf=200)
  .AC 10 1Meg *1.2
  .AC 10 1Meg *1.2
  .DC V1 10 12 0.5
  .DC V1 10 12 0.5
135行目: 132行目:
  Q1  N-000010 /VIN N-000007 N-000007 Q2N2222
  Q1  N-000010 /VIN N-000007 N-000007 Q2N2222


  .print ac v(vout)
  .print ac v(vout)
  .plot ac v(nodes) (-1,5)
  .plot ac v(nodes) (-1,5)


  .end
  .end
142行目: 139行目:
== 注 ==
== 注 ==
=== ネットリスト名の注意事項 ===
=== ネットリスト名の注意事項 ===
ネットリストを使用する多くのソフトウェアツールは、コンポーネント名、ピン名、等電位名(equipotentials)あるいは他の名前に空白(space)の使用を認めません。ラベルあるいはコンポーネントやそのピンの名前と数値欄に空白を使用しないで下さい。
 ネットリストを使用する多くのソフトウェアツールは,コンポーネント名,ピン名,等電位名(equipotentials)あるいは他の名前に空白(space)の使用を認めません.ラベルあるいはコンポーネントやそのピンの名前と数値欄に空白を使用しないで下さい.


同様に、英数字以外の特殊文字の使用は問題を生じる可能性があります。この制限はEeschemaとは無関係ですが、ネットリストを使用する他のソフトウェアがネットリスト・フォーマットを解釈できなくなる点に関わることに注意して下さい。
 同様に,英数字以外の特殊文字の使用は問題を生じる可能性があります.この制限はEeschemaとは無関係ですが,ネットリストを使用する他のソフトウェアがネットリスト・フォーマットを解釈できなくなる点に関わることに注意して下さい.


=== PSPICEネットリスト ===
=== PSPICEネットリスト ===
Pspiceシミュレーターの場合、ネットリストの中にコマンド行(.PROBE, .ACなど)をいくつか含める必要があります。
 Pspiceシミュレーターの場合,ネットリストの中にコマンド行(.PROBE, .ACなど)をいくつか含める必要があります.


回路図に含まれる'''-pspice'''または'''-gnucap'''のキーワードで始まるテキスト行は、ネットリストの先頭に(キーワードがない状態で)挿入されます。
 回路図に含まれる'''-pspice'''または'''-gnucap'''のキーワードで始まるテキスト行は,ネットリストの先頭に(キーワードがない状態で)挿入されます.


回路図に含まれる'''+pspice'''または'''+gnucap'''のキーワードで始まるテキスト行は、ネットリストの先頭に(キーワードがない状態で)挿入されます。
 回路図に含まれる'''+pspice'''または'''+gnucap'''のキーワードで始まるテキスト行は,ネットリストの先頭に(キーワードがない状態で)挿入されます.


1行テキストを複数使用する例、複数行テキストを1つ使用する例です。
 1行テキストを複数使用する例,複数行テキストを1つ使用する例です.




159行目: 156行目:




例えば:次のようなテキストを入力する場合(ラベルを使用しないこと!):
 例えば:次のようなテキストを入力する場合(ラベルを使用しないこと!):


-PSPICE .PROBE
-PSPICE .PROBE


.PROBEの行はネットリストに挿入されます。
 .PROBEの行はネットリストに挿入されます.


前述の例ではこの方法でネットリストの先頭に3行、末尾に2行挿入されました。
 前述の例ではこの方法でネットリストの先頭に3行,末尾に2行挿入されました.


複数行テキストを使用している場合、'''+pspice'''または'''+gnucap'''のキーワードは1度だけ必要です:
 複数行テキストを使用している場合,'''+pspice'''または'''+gnucap'''のキーワードは1度だけ必要です:


+PSPICE .model NPN NPN
+PSPICE .model NPN NPN
177行目: 174行目:
.backanno
.backanno


上の場合、4行生成されます:
 上の場合,4行生成されます:


.model NPN NPN
.model NPN NPN
187行目: 184行目:
.backanno
.backanno


また、Pspiceの場合、等電位のGNDは0(ゼロ)という名前にしなければならないことに注意して下さい。
 また,Pspiceの場合,等電位のGNDは0(ゼロ)という名前にしなければならないことに注意して下さい.


== «プラグイン»を使用する他のフォーマット ==
== «プラグイン»を使用する他のフォーマット ==
他のネットリスト・フォーマットの場合には、ネットリストコンバーターを追加することが可能です。Eeschemaはそれらのコンバーターを自動的に起動します。コンバーターの解説と例は14章にあります。
 他のネットリスト・フォーマットの場合には,ネットリストコンバーターを追加することが可能です.Eeschemaはそれらのコンバーターを自動的に起動します.コンバーターの解説と例は14章にあります.


コンバーターはテキストファイル(xslフォーマット)ですが、Pythonのような他の言語を使用することが可能です。xslフォーマットを使用する場合、ツール(xsltproc.exeあるいはxsltproc)はEeschemaが生成した中間ファイルと、コンバーターファイルを読み込んで、出力ファイルを生成します。この場合、コンバーターファイル(シートスタイル)は非常に小さく記述が容易です。.
 コンバーターはテキストファイル(xslフォーマット)ですが,Pythonのような他の言語を使用することが可能です.xslフォーマットを使用する場合,ツール(xsltproc.exeあるいはxsltproc)はEeschemaが生成した中間ファイルと,コンバーターファイルを読み込んで,出力ファイルを生成します.この場合,コンバーターファイル(シートスタイル)は非常に小さく記述が容易です..


=== ダイアログウィンドウの初期設定 ===
=== ダイアログウィンドウの初期設定 ===
プラグインの追加タブで、新規ネットリスト・プラグインを追加することが可能です。
 プラグインの追加タブで,新規ネットリスト・プラグインを追加することが可能です.


[[Image:]]
[[Image:]]


PadsPcbプラグインのセットアップウィンドウです
 PadsPcbプラグインのセットアップウィンドウです


[[Image:]]
[[Image:]]


セットアップでは以下が必要です:
 セットアップでは以下が必要です:


* 表題(例えば:ネットリスト・フォーマットの名前)。
* 表題(例えば:ネットリスト・フォーマットの名前).
* 起動するプラグイン。
* 起動するプラグイン.


ネットリスト生成時に以下のことを行います:
 ネットリスト生成時に以下のことを行います:


# Eeschemaは中間ファイル*.tmpを生成します。例えば、test.tmpとします。
# Eeschemaは中間ファイル*.tmpを生成します.例えば,test.tmpとします.
# Eeschemaはプラグインを実行し、test.tmpを読み込み、test.netを生成します。
# Eeschemaはプラグインを実行し,test.tmpを読み込み,test.netを生成します.


=== コマンドラインフォーマット ===
=== コマンドラインフォーマット ===
xsltproc.exeを.xslファイルの変換ツールとして、ファイルnetlist_form_pads-pcb.xslをコンバーターのシートスタイルとして使用する例です:
xsltproc.exeを.xslファイルの変換ツールとして,ファイルnetlist_form_pads-pcb.xslをコンバーターのシートスタイルとして使用する例です:


'''f:/kicad/bin/xsltproc.exe -o %O.net f:/kicad/bin/plugins/netlist_form_pads-pcb.xsl %I'''
'''f:/kicad/bin/xsltproc.exe -o %O.net f:/kicad/bin/plugins/netlist_form_pads-pcb.xsl %I'''
223行目: 220行目:
{| style="border-spacing:0;"
{| style="border-spacing:0;"
| style="border-top:0.05pt solid #000000;border-bottom:0.05pt solid #000000;border-left:0.05pt solid #000000;border-right:none;padding:0.097cm;"| f:/kicad/bin/xsltproc.exe
| style="border-top:0.05pt solid #000000;border-bottom:0.05pt solid #000000;border-left:0.05pt solid #000000;border-right:none;padding:0.097cm;"| f:/kicad/bin/xsltproc.exe
| style="border:0.05pt solid #000000;padding:0.097cm;"| xslファイルを読み込み、変換するツール
| style="border:0.05pt solid #000000;padding:0.097cm;"| xslファイルを読み込み,変換するツール


|-
|-
| style="border-top:none;border-bottom:0.05pt solid #000000;border-left:0.05pt solid #000000;border-right:none;padding:0.097cm;"| -o %O.net
| style="border-top:none;border-bottom:0.05pt solid #000000;border-left:0.05pt solid #000000;border-right:none;padding:0.097cm;"| -o %O.net
| style="border-top:none;border-bottom:0.05pt solid #000000;border-left:0.05pt solid #000000;border-right:0.05pt solid #000000;padding:0.097cm;"| 出力ファイル: %Oで出力ファイルを定義。
| style="border-top:none;border-bottom:0.05pt solid #000000;border-left:0.05pt solid #000000;border-right:0.05pt solid #000000;padding:0.097cm;"| 出力ファイル: %Oで出力ファイルを定義.


|-
|-
| style="border-top:none;border-bottom:0.05pt solid #000000;border-left:0.05pt solid #000000;border-right:none;padding:0.097cm;"| f:/kicad/bin/plugins/netlist_form_pads-pcb.xsl
| style="border-top:none;border-bottom:0.05pt solid #000000;border-left:0.05pt solid #000000;border-right:none;padding:0.097cm;"| f:/kicad/bin/plugins/netlist_form_pads-pcb.xsl
| style="border-top:none;border-bottom:0.05pt solid #000000;border-left:0.05pt solid #000000;border-right:0.05pt solid #000000;padding:0.097cm;"| ファイル名コンバーター(シートスタイル、xslフォーマット)。
| style="border-top:none;border-bottom:0.05pt solid #000000;border-left:0.05pt solid #000000;border-right:0.05pt solid #000000;padding:0.097cm;"| ファイル名コンバーター(シートスタイル,xslフォーマット).


|-
|-
| style="border-top:none;border-bottom:0.05pt solid #000000;border-left:0.05pt solid #000000;border-right:none;padding:0.097cm;"| %I
| style="border-top:none;border-bottom:0.05pt solid #000000;border-left:0.05pt solid #000000;border-right:none;padding:0.097cm;"| %I
| style="border-top:none;border-bottom:0.05pt solid #000000;border-left:0.05pt solid #000000;border-right:0.05pt solid #000000;padding:0.097cm;"| Eeschemaが生成した中間ファイル(*.tmp)で置き換える。
| style="border-top:none;border-bottom:0.05pt solid #000000;border-left:0.05pt solid #000000;border-right:0.05pt solid #000000;padding:0.097cm;"| Eeschemaが生成した中間ファイル(*.tmp)で置き換える.


|}
|}
test.schという名前の回路図の場合、実際のコマンドラインは次の通りです:
test.schという名前の回路図の場合,実際のコマンドラインは次の通りです:


f:/kicad/bin/xsltproc.exe -o test.net f:/kicad/bin/plugins/netlist_form_pads-pcb.xsl test.tmp.
f:/kicad/bin/xsltproc.exe -o test.net f:/kicad/bin/plugins/netlist_form_pads-pcb.xsl test.tmp.


=== コンバーターとシートスタイル(プラグイン) ===
=== コンバーターとシートスタイル(プラグイン) ===
これは非常に単純なソフトウェアです。なぜなら、その目的が入力テキストファイル(中間テキストファイル)を別のテキストファイルに変換するだけだからです。さらに、中間テキストファイルからBOMリストの生成が可能です。
これは非常に単純なソフトウェアです.なぜなら,その目的が入力テキストファイル(中間テキストファイル)を別のテキストファイルに変換するだけだからです.さらに,中間テキストファイルからBOMリストの生成が可能です.


xsltprocを変換ツールとして使用すると、シートスタイルのみが生成されます。
xsltprocを変換ツールとして使用すると,シートスタイルのみが生成されます.


=== 中間ネットリストファイルフォーマット ===
=== 中間ネットリストファイルフォーマット ===
xslprocについてのさらに多くの説明、中間ファイルフォーマットの記述内容、各コンバーターの場合のシートスタイルの例は14章を参照して下さい。
xslprocについてのさらに多くの説明,中間ファイルフォーマットの記述内容,各コンバーターの場合のシートスタイルの例は14章を参照して下さい.

2013年2月18日 (月) 00:20時点における最新版

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ネットリストの作成

概要

 ネットリストはコンポーネント間の接続を記述したファイルです.ネットリストのファイルには,次のものが含まれます:

  • コンポーネントのリスト.
  • 等電位ネットというコンポーネント間の接続のリスト.

 さまざまなネットリストのフォーマットが存在します.コンポーネントのリストと等電位リストが2つの別々のファイルであることもあります.回路図入力(capture)ソフトウェアの使用においては,このネットリストが基本となります.それはネットリストが次のような他の電子系CADソフトウェアとのリンクとなるからです.:

  • PCBソフトウェア.
  • 回路およびPCBシミュレータ.
  • CPLD (および他のプログラマブルICの)コンパイラ.

 Eeschemaはネットリストのフォーマットを数種サポートしています.

  • PCBNEWフォーマット(プリント配線).
  • ORCAD PCB2フォーマット(プリント配線).
  • CADSTARフォーマット(プリント配線).
  • 様々なシミュレータ用のSpiceフォーマット(Spiceフォーマットは他のシミュレータにも使用される).

ネットリストフォーマット

[[Image:]]ツールを選択し,ネットリスト作成ダイアログボックスを開きます.


[[Image:]] Pcbnewを選択
[[Image:]] Spiceを選択

 それぞれのタブで希望するフォーマットを選択できます.Spiceフォーマットでは,等電位の名称(その方が読みやすい)か,またはネット番号(Spiceの古いバージョンは番号のみ受け付ける)のどちらかでネットリストを生成することが可能です.

 大きなプロジェクトでは,ネットリストの生成に数分かかることがあります.

ネットリストの例

 PSPICEライブラリを使用した回路設計は以下を参照して下さい.

[[Image:]]

 PCBNEWネットリストファイルの例です.

# EESchema Netlist Version 1.0 generee le 21/1/1997-16:51:15
(
(32E35B76 $noname C2 1NF {Lib=C}
(1 0)
(2 VOUT_1)
)
(32CFC454 $noname V2 AC_0.1 {Lib=VSOURCE}
(1 N-000003)
(2 0)
)
(32CFC413 $noname C1 1UF {Lib=C}
(1 INPUT_1)
(2 N-000003)
)
(32CFC337 $noname V1 DC_12V {Lib=VSOURCE}
(1 +12V)
(2 0)
)
(32CFC293 $noname R2 10K {Lib=R}
(1 INPUT_1)
(2 0)
)
(32CFC288 $noname R6 22K {Lib=R}
(1 +12V)
(2 INPUT_1)
)
(32CFC27F $noname R5 22K {Lib=R}
(1 +12V)
(2 N-000008)
)
(32CFC277 $noname R1 10K {Lib=R}
(1 N-000008)
(2 0)
)
(32CFC25A $noname R7 470 {Lib=R}
(1 EMET_1)
(2 0)
)
(32CFC254 $noname R4 1K {Lib=R}
(1 +12V)
(2 VOUT_1)
)
(32CFC24C $noname R3 1K {Lib=R}
(1 +12V)
(2 N-000006)
)
(32CFC230 $noname Q2 Q2N2222 {Lib=NPN}
(1 VOUT_1)
(2 N-000008)
(3 EMET_1)
)
(32CFC227 $noname Q1 Q2N2222 {Lib=NPN}
(1 N-000006)
(2 INPUT_1)
(3 EMET_1)
)
)
# End

 PSPICEフォーマットでは,ネットリストは次のようになります.

* EESchema Netlist Version 1.1 (Spice format) creation date: 18/6/2008-08:38:03
.model Q2N2222 npn (bf=200)
.AC 10 1Meg *1.2
.DC V1 10 12 0.5
R12  /VOUT N-000003 22K
R11  +12V N-000003 100
L1  N-000003 /VOUT 100mH
R10  N-000005 N-000004 220
C3  N-000005 0 10uF
C2  N-000009 0 1nF
R8  N-000004 0 2.2K
Q3  /VOUT N-000009 N-000004 N-000004 Q2N2222
V2  N-000008 0 AC 0.1
C1  /VIN N-000008 1UF
V1  +12V 0 DC 12V
R2  /VIN 0 10K
R6  +12V /VIN 22K
R5  +12V N-000012 22K
R1  N-000012 0 10K
R7  N-000007 0 470
R4  +12V N-000009 1K
R3  +12V N-000010 1K
Q2  N-000009 N-000012 N-000007 N-000007 Q2N2222
Q1  N-000010 /VIN N-000007 N-000007 Q2N2222
.print ac v(vout)
.plot ac v(nodes) (-1,5)
.end

ネットリスト名の注意事項

 ネットリストを使用する多くのソフトウェアツールは,コンポーネント名,ピン名,等電位名(equipotentials)あるいは他の名前に空白(space)の使用を認めません.ラベルあるいはコンポーネントやそのピンの名前と数値欄に空白を使用しないで下さい.

 同様に,英数字以外の特殊文字の使用は問題を生じる可能性があります.この制限はEeschemaとは無関係ですが,ネットリストを使用する他のソフトウェアがネットリスト・フォーマットを解釈できなくなる点に関わることに注意して下さい.

PSPICEネットリスト

 Pspiceシミュレーターの場合,ネットリストの中にコマンド行(.PROBE, .ACなど)をいくつか含める必要があります.

 回路図に含まれる-pspiceまたは-gnucapのキーワードで始まるテキスト行は,ネットリストの先頭に(キーワードがない状態で)挿入されます.

 回路図に含まれる+pspiceまたは+gnucapのキーワードで始まるテキスト行は,ネットリストの先頭に(キーワードがない状態で)挿入されます.

 1行テキストを複数使用する例,複数行テキストを1つ使用する例です.


[[Image:]]


 例えば:次のようなテキストを入力する場合(ラベルを使用しないこと!):

-PSPICE .PROBE

 .PROBEの行はネットリストに挿入されます.

 前述の例ではこの方法でネットリストの先頭に3行,末尾に2行挿入されました.

 複数行テキストを使用している場合,+pspiceまたは+gnucapのキーワードは1度だけ必要です:

+PSPICE .model NPN NPN

.model PNP PNP

.lib C:\Program Files\LTC\LTspiceIV\lib\cmp\standard.bjt

.backanno

 上の場合,4行生成されます:

.model NPN NPN

.model PNP PNP

.lib C:\Program Files\LTC\LTspiceIV\lib\cmp\standard.bjt

.backanno

 また,Pspiceの場合,等電位のGNDは0(ゼロ)という名前にしなければならないことに注意して下さい.

«プラグイン»を使用する他のフォーマット

 他のネットリスト・フォーマットの場合には,ネットリストコンバーターを追加することが可能です.Eeschemaはそれらのコンバーターを自動的に起動します.コンバーターの解説と例は14章にあります.

 コンバーターはテキストファイル(xslフォーマット)ですが,Pythonのような他の言語を使用することが可能です.xslフォーマットを使用する場合,ツール(xsltproc.exeあるいはxsltproc)はEeschemaが生成した中間ファイルと,コンバーターファイルを読み込んで,出力ファイルを生成します.この場合,コンバーターファイル(シートスタイル)は非常に小さく記述が容易です..

ダイアログウィンドウの初期設定

 プラグインの追加タブで,新規ネットリスト・プラグインを追加することが可能です.

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 PadsPcbプラグインのセットアップウィンドウです

[[Image:]]

 セットアップでは以下が必要です:

  • 表題(例えば:ネットリスト・フォーマットの名前).
  • 起動するプラグイン.

 ネットリスト生成時に以下のことを行います:

  1. Eeschemaは中間ファイル*.tmpを生成します.例えば,test.tmpとします.
  2. Eeschemaはプラグインを実行し,test.tmpを読み込み,test.netを生成します.

コマンドラインフォーマット

xsltproc.exeを.xslファイルの変換ツールとして,ファイルnetlist_form_pads-pcb.xslをコンバーターのシートスタイルとして使用する例です:

f:/kicad/bin/xsltproc.exe -o %O.net f:/kicad/bin/plugins/netlist_form_pads-pcb.xsl %I

各部の意味は次の通りです:


f:/kicad/bin/xsltproc.exe xslファイルを読み込み,変換するツール
-o %O.net 出力ファイル: %Oで出力ファイルを定義.
f:/kicad/bin/plugins/netlist_form_pads-pcb.xsl ファイル名コンバーター(シートスタイル,xslフォーマット).
%I Eeschemaが生成した中間ファイル(*.tmp)で置き換える.

test.schという名前の回路図の場合,実際のコマンドラインは次の通りです:

f:/kicad/bin/xsltproc.exe -o test.net f:/kicad/bin/plugins/netlist_form_pads-pcb.xsl test.tmp.

コンバーターとシートスタイル(プラグイン)

これは非常に単純なソフトウェアです.なぜなら,その目的が入力テキストファイル(中間テキストファイル)を別のテキストファイルに変換するだけだからです.さらに,中間テキストファイルからBOMリストの生成が可能です.

xsltprocを変換ツールとして使用すると,シートスタイルのみが生成されます.

中間ネットリストファイルフォーマット

xslprocについてのさらに多くの説明,中間ファイルフォーマットの記述内容,各コンバーターの場合のシートスタイルの例は14章を参照して下さい.