Pcbnew chap11 JA

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ModEdit - ライブラリ管理

ModEditの概要

Pcbnewは同時に複数のライブラリを保守することが可能です。このためモジュールを読み込む時に、モジュールの最初の実体が見つかるまでライブラリのリストに現れる全てのライブラリを検索します。以下において、アクティブなライブラリとは、現在説明しているプログラムであるモジュールエディター(ModEdit)内で選択したライブラリであることに注意して下さい。

ModEditによりモジュールの作成および編集を行うことができます:

  • パッドの追加および削除。
  • モジュールの個々のパッドのパッドプロパティ(形状、レイヤー)を変更、あるいは全てのパッドのパッドプロパティをまとめて変更。
  • グラフィック要素(ライン、テキスト)の編集。
  • 情報フィールド(値、リファレンスなど)の編集。
  • 関連ドキュメント(説明、キーワード)の編集。

ModEditでは以下を行いアクティブなライブラリの保守も可能です:

  • アクティブなライブラリ内でモジュール一覧表示。
  • アクティブなライブラリからモジュールを削除。
  • アクティブなライブラリにモジュールを保存。
  • プリント回路に含まれる全てのモジュールを保存。

新規ライブラリを作成するこも可能です。ライブラリは実際には2つのファイルから構成されます:

  • ライブラリ自体(ファイル拡張子.lib)。
  • 関連ドキュメント(ファイル拡張子.dcm)。

ドキュメントファイルは、対応する.libファイルの修正後に体系的に再生成されます。このようにしてファイルが消失した場合には、容易にそれを回復させることが可能です。そのドキュメントはモジュールのドキュメントへのアクセスを加速するために使用されます。

ModEdit

モジュールエディターは次の2つの方法で使用することが可能です:

  • 直接、Pcbnewのメインツールバーのアイコンによる。
  • アクティブなモジュール[[Image:]の編集ダイアログ(下図を参照:コンテキストメニューによりアクセス)に、モジュールエディターボタンがあります。[[Image:] この場合、基板のアクティブなモジュールがModEditに自動的に読み込まれ、直ちに編集またはアーカイブ可能になります。

ModEditユーザーインタフェース

ModEditを呼び出すと、次のウィンドウが現れます。

[[Image:]]

Modeditの上部ツールバー

[[Image:]]


このツールバーから、次の機能が使用可能です:


[[Image:]] アクティブなライブラリを選択する。
[[Image:]] アクティブなライブラリに現在のモジュールを保存し、ディスクに書き込む。
[[Image:]] 新規ライブラリを作成し、その中に現在のモジュールを保存する。
[[Image:]] アクティブなライブラリからモジュールを削除するためのダイアログにアクセスする。
[[Image:]] 新規モジュールを作成する。
[[Image:]] アクティブなライブラリからモジュールを読み込む。
[[Image:]] プリント基板からモジュールを読み込む(インポートする)。
[[Image:]] 現在の基板からあらかじめモジュールをインポートしてある場合に、プリント基板に現在のモジュールをエクスポートする。

基板上の対応するモジュールを置き換えます(つまり、位置および角度に関して)。

[[Image:]] ライブラリからモジュールを読み込んだ時に、その現在のモジュールをプリント基板にエクスポートする。

プリント基板上にモジュールをコピーして、位置0に配置します。

[[Image:]] エクスポートコマンド([[Image:]])で作成したファイルからモジュールをインポートする。
[[Image:]] モジュールをエクスポートする。このコマンドは本質的にライブラリを作成するコマンドと同じです。唯一の違いは[[Image:]]がユーザーのディレクトリにライブラリを作成し、一方[[Image:]]は標準のライブラリのディレクトリ(通常、kicad/modules)にライブラリを作成します。
[[Image:]] 元に戻す - やり直し
[[Image:]] モジュールプロパティダイアログを呼び出す。
[[Image:]] 印刷ダイアログを呼び出す。
[[Image:]] 標準ズームコマンド。
[[Image:]] パッドエディターを呼び出す。
[[Image:]] 未使用。

新規モジュールの作成

[[Image:]]ボタンにより新規モジュールを作成することができます。その時、名前の入力が必要になります。それによりライブラリ内でモジュールを識別します。このテキストはモジュールのリファレンスとしての役割も果たしますが、プリント基板上で最終的なリファレンス((U1、IC3、など)に置き換えられます。

新規モジュールに以下を追加する必要があります:

  • 外形(場合によりテキスト)。
  • パッド。
  • 値(プレースホルダーとなっているテキストが後で正しい値に置き換えられます)。

新規モジュールがライブラリまたは基板に既に存在するモジュールと同じようなものである場合、これとは別のそしてしばしば速く済む方法を使用した方がよいでしょう:

  1. [[Image:]]、[[Image:]]および[[Image:]]ボタンにより似たようなモジュールを読み込む。
  2. リファレンスフィールドを新規モジュールの名前に変更する。
  3. 新規モジュールを編集し、保存する。

新規ライブラリの作成

新規ライブラリの作成は[[Image:]]ボタンで行います。この場合、ファイルはデフォルトでライブラリのディレクトリに作成されます。あるいは[[Image:]]ボタンを用います。その場合にはファイルはデフォルトで作業ディレクトリに作成されます。

ファイル選択ダイアログによりライブラリ名の指定とそのディレクトリを変更することができます。どちらの場合にも、ライブラリは、編集しようとするモジュールを含んでいます。

同じ名前の古いライブラリが存在する場合、警告なしで上書きされます。

アクティブなライブラリへのモジュールの保存

モジュールの保存(従って、アクティブなライブラリのファイルの変更)動作はこの[[Image:]]ボタンを使用して実行します。同じ名前のモジュールが既に存在する場合は、置き換えられます。今後の作業がライブラリのモジュールの正確さに左右されるので、モジュールを保存する前にダブルチェックする価値があります。

リファレンスかまたはライブラリ内で識別されるモジュール名に対する値フィールドのテキストのどちらかを編集することを推奨します。

ライブラリ間のモジュールの移動

[[Image:]]ボタンで移動元ライブラリを選択します。

[[Image:]]ボタンでモジュールを読み込みます。

[[Image:]]ボタンで移動先ライブラリを選択します。

[[Image:]]ボタンで当該モジュールを保存します。

移動元のモジュールを削除したいと思うかもしれません。移動元ライブラリを再度選択し、[[Image:]]ボタンと[[Image:]]ボタンにより古いモジュールを削除します。

アクティブなライブラリへの基板の全モジュールの保存

任意の基板デザインの全てのモジュールをアクティブなライブラリにコピーすることが可能です。これらのモジュールは現在のライブラリ名を保持します。

このコマンドには用途が2つあります。

  • アーカイブを作成したり、あるいは万一ライブラリを消失した場合に基板のモジュールでライブラリを完成させることです。
  • さらに重要なことは、以下のようにライブラリ用のドキュメントを作成できるようにすることでライブラリの保守を容易にします。

ライブラリモジュール用のドキュメント

高速でエラーのない検索ができるようにするために、作成したモジュールのドキュメント化を強く推奨します。

例えば、TO92パッケージでピン配置の違うものはたくさんありますがそれをすべて覚えている者はいないでしょう。モジュールプロパティダイアログはこの問題のシンプルな解を提供します。


[[Image:]]

このダイアログには次を入力可能です:

  • 1行コメント/説明。
  • 複数のキーワード。

CvpcbとPcbnewではコンポーネントの一覧と一緒に説明が表示されます。それはモジュール選択ダイアログで使用されます。

キーワードにより検索を特定のキーワードに対応するモジュールに限定することができます。

直接モジュールを読み込む(Pcbnewの右側のツールバーのアイコン[[Image:]])時に、ダイアログボックスにキーワードを入力することができます。そのため、テキスト"=CONN"を入力すると、キーワードのリストにCONNという言葉を含むモジュールの一覧を表示します。

ライブラリのドキュメント化 - 推奨する手順

次のように、ライブラリのソース(一部)を構成する1つ以上の補助的な回路基板を作成することにより、間接的にライブラリを作成することを推奨します:

  • 拡大/縮小して印刷可能にするために、A4フォーマットで回路基板を作成します(scale = 1)。
  • ライブラリに含めるモジュールをこの回路基板に作成します。
  • ファイル/フットプリントをアーカイブ/フットプリント アーカイブの作成コマンド[[Image:]]でライブラリそれ自体を作成します。

このためライブラリの"真のソース"は、その補助的な回路基板であり、その後のモジュールの変更はすべてこの回路上で行います。必然的に、複数の回路基板を同じライブラリに保存することが可能です。

Pcbnewはモジュールを読み込む時に多数のライブラリを検索することが可能なので、異なる種類のコンポーネント用に(コネクタ、ディスクリート、...)別々のライブラリを作成することは、一般的に良い考えです。

そのようなライブラリソースの例です:

[[Image:]]

この手法には利点がいくつかあります:

  1. 回路を拡大/縮小して印刷することが可能で、あとは何もしなくてもライブラリ用のドキュメントとしての役目を果たします。
  2. Pcbnewの今後の変更によってライブラリの作り直しが必要になるかも知れません。この種の回路基板のソースを使用していれば、非常に迅速にそのための何かを行うことが可能です。これは重要なことです。それは、回路基板のファイルフォーマットは今後開発されている間は互換性を維持していることが保証されていますが、そのことがライブラリのファイルフォーマットには当てはまらないからです。