「Eeschema Chapter6 JA」の版間の差分

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= Hierarchical schematics =
= 階層回路図 =


== はじめに ==
== はじめに ==
シート数が2~3枚で済まないようなプロジェクトには、階層的表現を用いるのが一般的によい解決策となります。この種のプロジェクトを管理したい場合、次のことが必要になります:
 シート数が2~3枚で済まないようなプロジェクトには,階層的表現を用いるのが一般的によい解決策となります.この種のプロジェクトを管理したい場合,次のことが必要になります:


* 大きなサイズのシートを使用する。その場合、印刷と取り扱いの問題が生じます。
* 大きなサイズのシートを使用する.その場合,印刷と取り扱いの問題が生じます.
* シートを数枚使用する。これは階層構造に至ります。
* シートを数枚使用する.これは階層構造に至ります.


この時、完全な回路図は、ルートシートというメインの回路図シートおよび階層を構成するサブシートというものになります。さらに、設計を個別のシートにうまく分割すると可読性が改善されます。
 この時,完全な回路図は,ルートシートというメインの回路図シートおよび階層を構成するサブシートというものになります.さらに,設計を個別のシートにうまく分割すると可読性が改善されます.


ルートシートからすべてのサブシートを辿ることができなければなりません。Eeschemaには、右上のツールバーのアイコン[[Image:]]で使用可能な統合"階層ナビゲーター"があり、階層回路図の管理が非常に簡単です。
 ルートシートからすべてのサブシートを辿ることができなければなりません.Eeschemaには,右上のツールバーのアイコン[[Image:]]で使用可能な統合"階層ナビゲーター"があり,階層回路図の管理が非常に簡単です.


階層は2種類あり、これらは共存在可能です: 1つ目は、すでに開いていて普通に使用するものです。2つ目は、回路図上の従来のコンポーネントのような外観をしたコンポーネントをライブラリ内で作成するというものですが、それは実際にはコンポーネントの内部構造を記述した回路図に対応します。
 階層は2種類あり,これらは共存可能です: 1つ目は,すでに開いていて普通に使用するものです.2つ目は,回路図上の従来のコンポーネントのような外観をしたコンポーネントをライブラリ内で作成するというものですが,それは実際にはコンポーネントの内部構造を記述した回路図に対応します.


この2つ目のタイプは集積回路を開発するために使用します。それは、作成中の回路図で機能ライブラリを使用しなければならないからです。
 この2つ目のタイプは集積回路を開発するために使用します.それは,作成中の回路図で機能ライブラリを使用しなければならないからです.


Eeschemaは現在この第2のケースには対応していません。
 Eeschemaは現在この第2のケースには対応していません.


階層は次のようなもです:
 階層は次のようなもです:


* 単一: 任意のシートを一度だけ使用する
* 単一: 任意のシートを一度だけ使用する.
* 複合: 任意のシートを2回以上使用する(複数の実体)
* 複合: 任意のシートを2回以上使用する(複数の実体).
* 平(Flat): 単一の階層であるが、シート間の接続は記述されない。
* 平(Flat): 単一の階層であるが,シート間の接続は記述されない.


Eeschemaはこれら全ての階層を扱うことが可能です。
 Eeschemaはこれら全ての階層を扱うことが可能です.


階層回路図の作成は簡単です。階層全体はルート回路図から始まるように管理され、ただ一つの回路図しかないように見えます。
 階層回路図の作成は簡単です.階層全体はルート回路図から始まるように管理され,ただ一つの回路図しかないように見えます.


次の2つの重要なステップを理解する必要があります:
 次の2つの重要なステップを理解する必要があります:


* サブシートの作成方法。
* サブシートの作成方法.
* サブシート間の電気的な接続方法。
* サブシート間の電気的な接続方法.


== 階層内のナビゲーション ==
== 階層内のナビゲーション ==
水平ツールバー上の[[Image:]]ボタンでナビゲーターツールが使用可能になり、それによりサブシート間のナビゲーションは非常に簡単です。
 水平ツールバー上の[[Image:]]ボタンでナビゲーターツールが使用できるため,サブシート間のナビゲーションは非常に簡単です.


[[Image:]]
[[Image:]]


シート名をクリックするとそのシートに移動可能になります。すばやく移動するには、シート名を右クリックし、シートに入るを選択します.
 シート名をクリックすると,そのシートに移動可能になります.すばやく移動するには,シート名を右クリックし,シートに入るを選択します.


右垂直ツールバーの[[Image:]]ツールにより、ルートシートあるいはサブシートに素早く移動可能です。ナビゲーションツールを選択後に以下の操作を行います:
 右垂直ツールバーの[[Image:]]ツールにより,ルートシートあるいはサブシートに素早く移動可能です.ナビゲーションツールを選択後に以下の操作を行います:


* シート名をクリックしてそのシートに移動する。
* シート名をクリックしてそのシートに移動する.
* それ以外の場所をクリックしてメインシートに移動する。
* それ以外の場所をクリックしてメインシートに移動する.


== ローカル、階層およびグローバルラベル ==
== ローカル,階層およびグローバルラベル ==
=== プロパティ ===
=== プロパティ ===
ローカルラベル([[Image:]]ツール)は、あるシート内のみで信号を接続しています。階層ラベル([[Image:]]ツール)は、あるシート内のみで信号を接続し、また親シートに配置された階層ピンに接続されています。
 ローカルラベル([[Image:]]ツール)は,あるシート内のみで信号を接続しています.階層ラベル([[Image:]]ツール)は,あるシート内のみで信号を接続し,また親シートに配置された階層ピンに接続されています.


グローバルラベル([[Image:]]ツール)は階層全体に渡って信号を接続しています。非表示の電源ピン("power in"および"power out"タイプ)は、全階層に渡って互いに接続されているように見えるので、グローバルラベルに似ています。
 グローバルラベル([[Image:]]ツール)は階層全体に渡って信号を接続しています.非表示の電源ピン("power in"および"power out"タイプ)は,全階層に渡って互いに接続されているように見えるので,グローバルラベルに似ています.


=== 注 ===
=== 注 ===
ある階層内で(単一または複合)階層ラベルとグローバルラベルの両方またはそのどちらかを使用可能です。
 ある階層内で(単一または複合)階層ラベルとグローバルラベルの両方またはそのどちらかを使用可能です.


== Hierarchy creation of headlines ==
== ヘッドラインの階層作成 ==
You have to:
 次のことをする必要があります:


* Place in the root sheet a hierarchy symbol called 。ネsheet symbol。ノ.
* "シートシンボル"という階層シンボルをルートシート内に配置します.
* Enter into the new schematic (sub-sheet) with the navigator and draw it, like any other schematic.
* ナビゲーターを使用して新規回路図(サブシート)に入り,他の回路図と同様にそれを作成します.


* Draw the electric connections between the two schematics by placing Global Labels (HLabels) in the new schematic (sub-sheet), and labels having the same name in the root sheet, known as SheetLabels. These SheetLabels will be connected to the sheet symbol of the root sheet to the other elements of the schematic like standard component pins.
* 新しく作成した回路図(サブシート)にグローバルラベル(HLabels)を配置して2つの回路図間に電気的接続を作成します.また,シートラベル(SheetLabels)という同じ名前を持つラベルをルートシートに配置します.これらのシートラベルはルートシートのシートシンボルや標準的なコンポーネントピンのような他の回路図要素に接続されます.


== Sheet symbol ==
== シートシンボル ==
Draw a rectangle defined by two diagonal points symbolizing the sub-sheet.
 対角上の2点を指定して矩形を作成し,それによりサブシートを表します.


The size of this rectangle must allow you to place later particular labels, hierarchy pins, corresponding to the global labels (HLabels) in the sub-sheet .
 この矩形のサイズは,サブシート内のグローバルラベル(HLabels)に対応した特定のラベルや階層ピンを後で配置可能なものでなければなりません.


These labels are similar to usual component pins. Select the tool [[Image:]].
 これらのラベルは通常のコンポーネントピンに似ています.[[Image:]]ツールを選択します.


Click to place the upper left corner of the rectangle. Click again to place the lower right corner, having a large enough rectangle.
 クリックして矩形の左上角を配置します.矩形が十分な大きさとなったら再度クリックして右下角を配置します.


Example :
例:


[[Image:]]
[[Image:]]


You will then be prompted to type a file name and a sheet name for this sub-sheet (in order to reach the corresponding schematic, using the hierarchy navigator).
 この時,このサブシートのファイル名とシート名の入力が要求されます(階層ナビゲーターを使用し,対応する回路図に移動するために).


[[Image:]]
[[Image:]]


You must give at least a file name. If there is no sheet name, the file name will be used as sheet name (usual way to do that).
 少なくともファイル名の入力が必要です.シート名がない場合,ファイル名がシート名として使用されます(そうするのが普通).


== Connections ? hierarchical pins ==
== 接続 - 階層ピン ==
You will create here points of connection (hierarchy pins) for the symbol which has been just created.
 たった今作成したシンボル用の接続点(階層ピン)をここで作成します.


These points of connection are similar to normal component pins, with however the possibility to connect a complete bus with only one point of connection.
 これらの接続点は通常のコンポーネントピンと似ていますが,ただ1つの接続点で完全なバス接続を行うことが可能です.


There are two ways to do this:
 それを行うには,次のように2つ方法があります:


* Place the different pins before drawing the sub-sheet (manual placement).
* 必要なピンをサブシート作成前に配置(手動による配置).
* Place the different pins after drawing the sub-sheet, and the global labels (semi-automatic placement).
* 必要なピンおよびグローバルラベルをサブシート作成後に配置(半自動配置).


The second solution is quite preferable.
 2つ目の方法が非常に好ましいです.


'''Manual placement:'''
'''手動配置:'''


* To select the tool [[Image:]].
* [[Image:]]ツールを選択します.
* Click on the hierarchy symbol where you want to place this pin.
* このピンを配置したい階層シンボルをクリックします.


See below an example of the creation of the hierarchical pin called 。ネCONNEXION。ノ.
 "CONNEXION"と言う名前の階層ピンを作成する例は以下を参照して下さい.


[[Image:]]
[[Image:]]


You can define its graphical attributes, and size or later, by editing this pin sheet ( Right click and select Edit in the PopUp menu).
 このピンシート(右クリックしてポップアップメニューの編集を選択します)を編集して,グラフィカルな属性とサイズの定義が可能です.後でそうすることも可能です.


Various pin symbols are available :
 様々なピンシンボルが使用可能です:


* Input
* 入力(Input)
* Output
* 出力(Output)
* BiDir
* 双方向(BiDir)
* Tri State
* トライステート(Tri State)
* Not Specified
* 指定なし(Not Specified)


These pin symbols are only graphic enhancements, and have no other role.
 これらのピンシンボルは単なるグラフィカルな強調で,それ以外の役割はありません.


'''Automatic placement:'''
'''自動配置:'''


* Select the tool [[Image:]].
* [[Image:]]ツールを選択します.
* Click on the hierarchy symbol from where you want to import the pins corresponding to global labels placed in the corresponding schematic. A hierarchical pin appears, if a new global label exists, i.e. not corresponding to an already placed pin.
* 階層シンボルをクリックし,そこからグローバルラベルに対応するピンをインポートして対応する回路図に配置します.新しいグローバルラベルが存在する場合,つまり,配置済みのピンに対応したものでないなら,階層ピンが現れます.
* Click where you want to place this pin.
* このピンを配置したい場所でクリックします.


All necessary pins can thus be placed quickly and without error. Their aspect is in accordance with corresponding global labels.
 必要なすべてのピンはエラーなく速やかに配置することが可能です.それらの外観はグローバルラベルと一致しています.


== Connections - hierarchical labels ==
== 接続 - 階層ラベル ==
Each pin of the sheet symbol just created, must correspond to a label called hierarchical Label in the sub-sheet. Hierarchical labels are similar to labels, but they provide connections between sub-sheet and root sheet. The graphical representation of the two complementary labels (pin and HLabel) is similar. Hierarchical labels creation is made with the tool [[Image:]].
 作成したシートシンボルの各ピンはサブシート内の階層ラベルというラベルと一致していなければなりません.階層ラベルはラベルと似ていますが,サブシートおよびルートシート間の接続を行います.その2つの相補的なラベル(ピンおよびHLabel)のグラフィカルな表示は似ています.階層ラベルの作成は[[Image:]]ツールで行います.


See below a root sheet example:
 ルートシートの例は以下を参照して下さい:


[[Image:]]
[[Image:]]


Notice pins TRANSF1 and TRANSF2, connected to connector JP3.
 ピンTRANSF1とTRANSF2がコネクタJP3に接続されていることに注意して下さい.


Here are the corresponding connections in the sub-sheet :
 サブシート内でのそれに対応する接続は次のようになります:


[[Image:]]
[[Image:]]


You find again, the two corresponding hierarchical labels, providing connection between the two hierarchical sheets.
 2つの階層シート間の接続を成す2つの対応する階層ラベルがあるのがさらにわかります.


'''Note'''
''''''


<nowiki>You can use hierarchical labels and hierarchy pins to connect two buses, according to the syntax (Bus [N. .m]) previously described.</nowiki>
<nowiki>2つのバスを接続するには,階層ラベルおよび階層ピンを使うことが可能です.この時,既述の構文(Bus [N. .m])に従います.</nowiki>


=== Labels, hierarchical labels, global labels and invisible power pins ===
=== ラベル,階層ラベル,グローバルラベルおよび非表示電源ピン ===
Here are some comments on various ways to provide connections, others than wire connections.
 ワイヤによる接続以外に,接続を行う様々な方法について説明します.


==== Simple labels ====
==== 単純ラベル ====
Simple labels have a local capacity of connection, i.e. limited to the schematic sheet where they are placed. This is due to the fact that :
 単純ラベルは接続に関してローカルな性質があります.つまり,それが配置されている回路図シートに制限されます.これは次の事実によるためです:


* Each sheet has a sheet number.
* 各シートにはシート番号が存在する.
* This sheet number is associated to a label.
* このシート番号はラベルに関連付けられている.


Thus, if you place the label 。ネTOTO。ノ in sheet n。・3, in fact the true label is 。ネTOTO_3。ネ. If you also place a label 。ネTOTO。ノ in sheet n。・1 ( root sheet) you place in fact a label called 。ネTOTO_1。ネ, different from 。ネTOTO_3。ネ. This is always true, even if there is only one sheet.
 そのため,シート番号3にラベル"TOTO"を配置した場合,実際のラベルは"TOTO_3"です.シート番号1(ルートシート)にラベル"TOTO"を配置した場合,実際には"TOTO_3"ではなく"TOTO_1"というラベルを配置したことになります.これはシートが1つしかない場合でも常にそのようになります.


==== Hierarchical labels ====
==== 階層ラベル ====
What is said for the simple labels is also true for hierarchical labels.
 単純ラベルで言えることは階層ラベルにも当てはまります.


Thus in the same sheet, a HLabel 。ネTOTO。ノ is considered to be connected to a local label 。ネTOTO。ノ, but not connected to a HLabel or label called 。ネTOTO。ノ in another sheet.
 このため,同一シート内で,HLabelの"TOTO"はローカルラベル"TOTO"に接続されていると見なされますが,別のシートのHLabelあるいは"TOTO"というラベルには接続されません.


However a HLabel is considered to be connected to the corresponding SheetLabel symbol in the hierarchical symbol placed in the root sheet.
 しかし,HLabelはルートシートに配置された階層シンボル内の対応するシートラベルシンボルに接続されていると見なされます.


==== Invisible power pins ====
==== 非表示電源ピン ====
It was seen that invisible power pins were connected together if they have the same name. Thus all the power pins declared 。ネInvisible Power Pins。ネ and named VCC are connected and form the equipotential VCC, whatever the sheet they are placed on.
 非表示の電源ピンは,同一名であるならそれらが互いに接続されていました.このため,"Invisible Power Pin"として宣言されているVCCという名前の全ての電源ピンは,それが置かれているどのシートでもそれらが互いに接続され同電位のVCCを形成します.


This means that if you place a VCC label in a sub-sheet, it will not be connected to VCC pins, because this label is actually VCC_n, where n is the sheet number.
 このことは,あるサブシートにVCCラベルを配置した場合,そのラベルがVCCピンには接続されないということを意味します.それは,このラベルが実際にはVCC_nであるからです.ここでnとはシート番号です.


If you want this label VCC to be really connected to the equipotential VCC, it will have to be explicitly connected to an invisible power pin, thanks to a VCC power port.
 このVCCラベルを同電位のVCCに実際に接続したいなら,VCC電源ポートにより非表示電源ピンにそれを明示的に接続する必要があります.


=== Global labels ===
=== グローバルラベル ===
Global labels that have an identical name are connected across the whole hierarchy.
 同一名のグローバルラベルは階層全体に渡って互いに接続されています.


(power labels like vcc ... are global labels)
 (vcc ... のような電源ラベルはグローバルラベルです)


== Complex Hierarchy ==
== 複合階層 ==
Here is an example. The same schematic is used twice (two instances). The two sheets share the same schematic because the file name is the same for the two sheets ("other_sheet.sch"). But the sheet names must be different.
 一例を示します.同じ回路図が2回使用されています(2つの実体).2つのシートのファイル名が同じなので("other_sheet.sch"),2つのシートは同じ回路図を共有します.しかし,シート名は異なっていなければなりません.


<center>[[Image:]]</center>
<center>[[Image:]]</center>


== Flat hierarchy ==
== 平階層 ==
You can create a project using many sheets, without creating connections between these sheets (flat hierarchy) if the next rules are repsected:
 シート間の接続を作らずに(平(ヒラ)階層),シートを多数使うプロジェクトの作成が可能です.それには次のルールを順守して下さい:


* You must create a root sheet containing the other sheets, which acts as a link between others sheets.
* ルートシートを作成し,他のすべてのシートをそれに含めます.ルートシートはシート間のリンクとして機能します.
* No explicit connections are needed.
* 明示的な接続はまったく必要ありません.
* All connections between sheets will use global labels instead of hierarchical labels.
* シート間のすべての接続には,階層ラベルではなくグローバルラベルを使用します.


Here is an example of a root sheet.
 ルートシートの例を以下に示します.


[[Image:]]
[[Image:]]


 
 2ページあり,それらはグローバルラベルで接続されています.
Here is the two pages, connected by global labels.


[[Image:]]
[[Image:]]
194行目: 193行目:


[[Image:]]
[[Image:]]




{| style="border-spacing:0;"
{| style="border-spacing:0;"
| style="border-top:0.05pt solid #000000;border-bottom:0.05pt solid #000000;border-left:0.05pt solid #000000;border-right:none;padding:0.097cm;"| Look at global labels
| style="border-top:0.05pt solid #000000;border-bottom:0.05pt solid #000000;border-left:0.05pt solid #000000;border-right:none;padding:0.097cm;"| グローバルラベルを参照
| style="border:0.05pt solid #000000;padding:0.097cm;"| [[Image:]]
| style="border:0.05pt solid #000000;padding:0.097cm;"| [[Image:]]


|}
|}

2013年2月17日 (日) 23:37時点における最新版

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階層回路図

はじめに

 シート数が2~3枚で済まないようなプロジェクトには,階層的表現を用いるのが一般的によい解決策となります.この種のプロジェクトを管理したい場合,次のことが必要になります:

  • 大きなサイズのシートを使用する.その場合,印刷と取り扱いの問題が生じます.
  • シートを数枚使用する.これは階層構造に至ります.

 この時,完全な回路図は,ルートシートというメインの回路図シートおよび階層を構成するサブシートというものになります.さらに,設計を個別のシートにうまく分割すると可読性が改善されます.

 ルートシートからすべてのサブシートを辿ることができなければなりません.Eeschemaには,右上のツールバーのアイコン[[Image:]]で使用可能な統合"階層ナビゲーター"があり,階層回路図の管理が非常に簡単です.

 階層は2種類あり,これらは共存可能です: 1つ目は,すでに開いていて普通に使用するものです.2つ目は,回路図上の従来のコンポーネントのような外観をしたコンポーネントをライブラリ内で作成するというものですが,それは実際にはコンポーネントの内部構造を記述した回路図に対応します.

 この2つ目のタイプは集積回路を開発するために使用します.それは,作成中の回路図で機能ライブラリを使用しなければならないからです.

 Eeschemaは現在この第2のケースには対応していません.

 階層は次のようなもです:

  • 単一: 任意のシートを一度だけ使用する.
  • 複合: 任意のシートを2回以上使用する(複数の実体).
  • 平(Flat): 単一の階層であるが,シート間の接続は記述されない.

 Eeschemaはこれら全ての階層を扱うことが可能です.

 階層回路図の作成は簡単です.階層全体はルート回路図から始まるように管理され,ただ一つの回路図しかないように見えます.

 次の2つの重要なステップを理解する必要があります:

  • サブシートの作成方法.
  • サブシート間の電気的な接続方法.

階層内のナビゲーション

 水平ツールバー上の[[Image:]]ボタンでナビゲーターツールが使用できるため,サブシート間のナビゲーションは非常に簡単です.

[[Image:]]

 シート名をクリックすると,そのシートに移動可能になります.すばやく移動するには,シート名を右クリックし,シートに入るを選択します.

 右垂直ツールバーの[[Image:]]ツールにより,ルートシートあるいはサブシートに素早く移動可能です.ナビゲーションツールを選択後に以下の操作を行います:

  • シート名をクリックしてそのシートに移動する.
  • それ以外の場所をクリックしてメインシートに移動する.

ローカル,階層およびグローバルラベル

プロパティ

 ローカルラベル([[Image:]]ツール)は,あるシート内のみで信号を接続しています.階層ラベル([[Image:]]ツール)は,あるシート内のみで信号を接続し,また親シートに配置された階層ピンに接続されています.

 グローバルラベル([[Image:]]ツール)は階層全体に渡って信号を接続しています.非表示の電源ピン("power in"および"power out"タイプ)は,全階層に渡って互いに接続されているように見えるので,グローバルラベルに似ています.

 ある階層内で(単一または複合)階層ラベルとグローバルラベルの両方またはそのどちらかを使用可能です.

ヘッドラインの階層作成

 次のことをする必要があります:

  • "シートシンボル"という階層シンボルをルートシート内に配置します.
  • ナビゲーターを使用して新規回路図(サブシート)に入り,他の回路図と同様にそれを作成します.
  • 新しく作成した回路図(サブシート)にグローバルラベル(HLabels)を配置して2つの回路図間に電気的接続を作成します.また,シートラベル(SheetLabels)という同じ名前を持つラベルをルートシートに配置します.これらのシートラベルはルートシートのシートシンボルや標準的なコンポーネントピンのような他の回路図要素に接続されます.

シートシンボル

 対角上の2点を指定して矩形を作成し,それによりサブシートを表します.

 この矩形のサイズは,サブシート内のグローバルラベル(HLabels)に対応した特定のラベルや階層ピンを後で配置可能なものでなければなりません.

 これらのラベルは通常のコンポーネントピンに似ています.[[Image:]]ツールを選択します.

 クリックして矩形の左上角を配置します.矩形が十分な大きさとなったら再度クリックして右下角を配置します.

例:

[[Image:]]

 この時,このサブシートのファイル名とシート名の入力が要求されます(階層ナビゲーターを使用し,対応する回路図に移動するために).

[[Image:]]

 少なくともファイル名の入力が必要です.シート名がない場合,ファイル名がシート名として使用されます(そうするのが普通).

接続 - 階層ピン

 たった今作成したシンボル用の接続点(階層ピン)をここで作成します.

 これらの接続点は通常のコンポーネントピンと似ていますが,ただ1つの接続点で完全なバス接続を行うことが可能です.

 それを行うには,次のように2つ方法があります:

  • 必要なピンをサブシート作成前に配置(手動による配置).
  • 必要なピンおよびグローバルラベルをサブシート作成後に配置(半自動配置).

 2つ目の方法が非常に好ましいです.

手動配置:

  • [[Image:]]ツールを選択します.
  • このピンを配置したい階層シンボルをクリックします.

 "CONNEXION"と言う名前の階層ピンを作成する例は以下を参照して下さい.

[[Image:]]

 このピンシート(右クリックしてポップアップメニューの編集を選択します)を編集して,グラフィカルな属性とサイズの定義が可能です.後でそうすることも可能です.

 様々なピンシンボルが使用可能です:

  • 入力(Input)
  • 出力(Output)
  • 双方向(BiDir)
  • トライステート(Tri State)
  • 指定なし(Not Specified)

 これらのピンシンボルは単なるグラフィカルな強調で,それ以外の役割はありません.

自動配置:

  • [[Image:]]ツールを選択します.
  • 階層シンボルをクリックし,そこからグローバルラベルに対応するピンをインポートして対応する回路図に配置します.新しいグローバルラベルが存在する場合,つまり,配置済みのピンに対応したものでないなら,階層ピンが現れます.
  • このピンを配置したい場所でクリックします.

 必要なすべてのピンはエラーなく速やかに配置することが可能です.それらの外観はグローバルラベルと一致しています.

接続 - 階層ラベル

 作成したシートシンボルの各ピンはサブシート内の階層ラベルというラベルと一致していなければなりません.階層ラベルはラベルと似ていますが,サブシートおよびルートシート間の接続を行います.その2つの相補的なラベル(ピンおよびHLabel)のグラフィカルな表示は似ています.階層ラベルの作成は[[Image:]]ツールで行います.

 ルートシートの例は以下を参照して下さい:

[[Image:]]

 ピンTRANSF1とTRANSF2がコネクタJP3に接続されていることに注意して下さい.

 サブシート内でのそれに対応する接続は次のようになります:

[[Image:]]

 2つの階層シート間の接続を成す2つの対応する階層ラベルがあるのがさらにわかります.

2つのバスを接続するには,階層ラベルおよび階層ピンを使うことが可能です.この時,既述の構文(Bus [N. .m])に従います.

ラベル,階層ラベル,グローバルラベルおよび非表示電源ピン

 ワイヤによる接続以外に,接続を行う様々な方法について説明します.

単純ラベル

 単純ラベルは接続に関してローカルな性質があります.つまり,それが配置されている回路図シートに制限されます.これは次の事実によるためです:

  • 各シートにはシート番号が存在する.
  • このシート番号はラベルに関連付けられている.

 そのため,シート番号3にラベル"TOTO"を配置した場合,実際のラベルは"TOTO_3"です.シート番号1(ルートシート)にラベル"TOTO"を配置した場合,実際には"TOTO_3"ではなく"TOTO_1"というラベルを配置したことになります.これはシートが1つしかない場合でも常にそのようになります.

階層ラベル

 単純ラベルで言えることは階層ラベルにも当てはまります.

 このため,同一シート内で,HLabelの"TOTO"はローカルラベル"TOTO"に接続されていると見なされますが,別のシートのHLabelあるいは"TOTO"というラベルには接続されません.

 しかし,HLabelはルートシートに配置された階層シンボル内の対応するシートラベルシンボルに接続されていると見なされます.

非表示電源ピン

 非表示の電源ピンは,同一名であるならそれらが互いに接続されていました.このため,"Invisible Power Pin"として宣言されているVCCという名前の全ての電源ピンは,それが置かれているどのシートでもそれらが互いに接続され同電位のVCCを形成します.

 このことは,あるサブシートにVCCラベルを配置した場合,そのラベルがVCCピンには接続されないということを意味します.それは,このラベルが実際にはVCC_nであるからです.ここでnとはシート番号です.

 このVCCラベルを同電位のVCCに実際に接続したいなら,VCC電源ポートにより非表示電源ピンにそれを明示的に接続する必要があります.

グローバルラベル

 同一名のグローバルラベルは階層全体に渡って互いに接続されています.

 (vcc ... のような電源ラベルはグローバルラベルです)

複合階層

 一例を示します.同じ回路図が2回使用されています(2つの実体).2つのシートのファイル名が同じなので("other_sheet.sch"),2つのシートは同じ回路図を共有します.しかし,シート名は異なっていなければなりません.

[[Image:]]

平階層

 シート間の接続を作らずに(平(ヒラ)階層),シートを多数使うプロジェクトの作成が可能です.それには次のルールを順守して下さい:

  • ルートシートを作成し,他のすべてのシートをそれに含めます.ルートシートはシート間のリンクとして機能します.
  • 明示的な接続はまったく必要ありません.
  • シート間のすべての接続には,階層ラベルではなくグローバルラベルを使用します.

 ルートシートの例を以下に示します.

[[Image:]]

 2ページあり,それらはグローバルラベルで接続されています.

[[Image:]]


[[Image:]]


グローバルラベルを参照 [[Image:]]